書籍版『おごさま』読みましたー!ので感想。

発売日に買って『おごさま』の書籍版も読み終わっていたのですが、言語化に悩みながら感想を書いてたら時間が経ってしまいました。以下、感想つらつらと書いていきます。ネタバレ注意。

 

 

 

 

 

 

 

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まずタイトルからカッコイイ。フォントなんだろ……おどろおどろしい、というか文字から既に何か伝わってきますね。紙のことは詳しくないですが表紙めくって1ページ目がトレーシングペーパーみたいな薄紙にタイトルなのがとても気に入りました。

 

モラハラ罵倒や暴力が含まれるので苦手な人は注意ですが、『クズの大洪水』がその通りな感じでした。さっくり読みやすい。加筆修正されていることにより解像度が上がり、分かりやすくなりました。

 

 

 

 

クズばかりって表現していますが、まあ欲望のままに生きてる性格に難ありな方々、な登場人物たちです。終盤で振り返ると彼らは逆に人間らしいですね。と感じました。

 

自分本位で思い込みの激しい主人公のさあやちゃん、ずっと見ていたらいっそ可愛くみえてくr(こない)。

願いを叶えて人と掛け離れた存在に変わっていってもブレないさあやちゃんが良いですね。どんな姿になっても物事を自分の都合の良いようにしかとれない、顔が良ければ良しのブレなさ。最初から最後までさあやちゃんでした。そして田舎の解像度が良い。本家とか分家とか。しきたりとか色々あったり、住んでいる場所ですれ違う人みな知ってる人だから下手なこと出来ない派手な髪やピアスくらいでも目立っちゃうよね…。的なところ。閉塞感から出て生きたくなるよね……。と田舎の自分には共感です。終盤は『いけー、さあや!!!!』の気持ちになるのでやっぱりさあやちゃんが可愛いのかもしれません…。。………いや、さあやちゃん視点から見えてるものがどれだけ正しいのだ…?(混乱)

後半は怪獣映画のようにどったんばったんしてますが、怪異であること、村の人々の行い等々考えると怖いですね…。人間怖い。みんなそれぞれヤバいクズで誰が一番ヤバいやつなんだ…??と思ったけど優劣つけるもんじゃないです。さあやもカイトもハヤトさんも村人たちもおごさまみんなヤバいヤバい。あ、話の前半部分に戻りますがリク兄ちゃんはいいやつでした(ヤバい人たちは誰だで唯一の光)。でも彼、そんなに早くに退場しましたっけ…?しましたね。ずっと思い返してしまういい人です。そんな賑やかなヤバい人たちの中では、個人的に拝み屋さんが好み。作者さんも好みのはず…!

 

小紫さんは以前からフォロワーさんなので知っているのもあり、読みやすさの中にこれでもかと癖を浴びせてくる人なので一気読みして楽しかった。の一言です(ホラーで楽しかった。というのは良かったのか…?)。作者さん特に後半とか楽しく書いただろうな…、というのが伝わってきます。咀嚼しきれなかったところがまだまだあるのでまた読み返したいです(大洪水で圧が強いのでゆっくり、ね)。あ、奥付プロフの朗読配信は…笑ってしまいました。

 

おごさまとても楽しかったです。ありがとうございました。また他の作品も読む機会があったら嬉しいです。